「死後の世界で恋をして」を再読して(その2)

前々回、1月31日の「死後の世界で恋をして」を再読して(その1)に続いての内容です。

本書の《第7章 真の恋愛》《3 上の世界の恋愛》において、三郎の上司の霊魂は、

(引用始め)
「霊魂にとっての一番の慶びは、神霊のお役に立てる事です。これ以上の慶びはありません。そして、神霊という存在は、私達の身体とは違う身体の存在です。神の体ですから、これを神体と呼ぶとします。神体の存在に男女はありません。なぜならば、男女は物質の世界の動物の身体の特徴だからです。
(中略)
物質の世界の身体を霊魂が使うようになってから、今のような男女が生じたのです。」
(中略)
「幽体の上の方の人達でも、男性でも、女性でも、お互いに愛を感じます。ですが、その愛は物質の世界のような狭い愛ではありません。例えば、物質の世界の愛は浮気を許せません。」
(中略)
「それは独占欲がある為です。自分のもの、という意識
が強くあるので、他者に渡したくないのです。それは、実は個人の欲望なのです。
愛という思いが大きくなって、周囲にいるどの人をも愛するようになれば、本当であれば、自分だけが独占してはいけないのです。
物質の世界では結局、伴侶は所有物なのです。子供も同じです。(中略)自分の家庭を守る事が、最初の前提になるのが、物質の身体の特徴なのです。
ですが、霊魂の身体は違います。
(中略)
人は、霊魂というものの本質が強く現れるにしたがい、真の愛情が表現されてくるのです。そうなると、物質の世界とは違った恋愛や愛情が現れてくるのです。」
(引用終わり)
と述べておられます。

また、《第7章 真の恋愛》《5 物質の世界の現実》において、三郎の上司の霊魂は、
(引用開始)
「宗教的なものが嫌いだという人は、霊魂なんて初めから馬鹿にしている。興味を持っている人達は、ニセモノに騙されている。そうなると、本当の事が示せないらしい。
ニセモノは、古今東西の、高級とか、高度とか、深いとか呼ばれる思想を勉強していて、自分の主張に取り入れているそうだ。そうなると、一般の人には、立派な霊的思想に思えてしまう。実際、間違った事ばかり言うわけではない。道徳的には立派な事も言う。愛が大切とか言われるから、皆、信じてしまう。立派な事を言うニセモノなんだ。ところが、ニセモノは、しょせん、ニセモノ。ニセモノは幽体の事は何も語れない。そうなると、これほど大変な時代になっても、幽体を成長させる事なんか、考えもしない。口を開けば『愛』だ。愛しか言わない。(中略)口だけなら、何でも言える。ニセモノに
騙されてはいけない。
残念な事に、誰も本物を知ろうとしない。それが問題なんだ。」
(中略)
「物質の肉体を保つには食事がいる。着る物もいる。家もいる。そうなると、お金がいる。だから仕事がいる。職場では競争が待っている。そうなると、皆、競争に勝つ為の方法が知りたい。ストレスが溜まると、病気になる。だから、健康になりたい。日々、ストレスが多いと、癒しが欲しい。
という事は、人々は御利益が欲しい。知りたいのは競争に勝つ方法、心を癒す方法、健康になる方法、そして、全てまとめて幸福になる方法なんだ。
そうなると、人は、そうした事を言っている団体に、大勢集まってしまい、幽体の成長などと言っている所には、ほとんど集まらない。しかし、本当に大切な事
は、幽体なんだ。だから、周囲は悪霊ばかりになってしまい、人々は将来、いや、物質の世界に生きている時からさえも、苦悩を背負う事になるんだ。」
(中略)
「恋愛している男女は、目の前の愛の成就しか見えていない。恋愛の本質なんて考えている人はいない。
(中略)
人々は真実が知りたいわけではない。自分の欲望を叶えてほしい。そういう意味だけで、神や霊魂を求める。だから、パワーがもらえるのなら、そうしたスポットに人が集まる。
しかし、それでは必ず、苦悩を抱える事になる。何しろ、そういう場所には、悪い霊魂も集まって来るんだから。」
(引用終わり)
と述べておられます。

更に《第7章 》《6 恋愛に至る道》において、《水波一郎先生》は、
(引用開始)
『実は、人間における真の愛は、物質の身体を越えないと表現されないように出来ている。物質の身体の脳を使用する意識は、自分という個を前提にする。赤ちゃんの時、何も出来ない時から、生きる為にミルクを飲んできた。生きる為に、行動してきたのである。そうした積み重ねで出来上がった意識は、全ての生命を公平に愛する事など無理である。
しかし、霊魂は違う。肉体の影響が完全に抜ける、という事になれば、その霊魂は自分という個には執着しない。むしろ、神霊という偉大な存在の中に、自分が溶け込む事を願うようになるのである。
愛は、自分や他人という区別すら越えるようになる。神霊、自分、伴侶、子供、他人、それら全ての魂と共に、感涙するのである。
真の愛は、霊的な成長がない限りは、見つける事が出来ない。
しかし、偉大なる霊魂は、それでも物質の世界の人間に、こうおっしやるのであった。
「愛、それは高貴なる心理である。その心理の一端ではあるが、人間はそれを持っている。それが不完全なので
、どうしても苦悩するのである。
その苦悩が将来の慶びに変わるよう、我々は願うのである。」』
(引用終わり)
と述べておられます。

結局のところ、肉体を伴っているこの物質界では、他の人と競ってでも食べなければ生きていくことは出来ず、
全ての存在を公平に愛したり、自他の区別を越えた愛を実践することは、不可能だと言えるでしょう。

言い換えれば、肉体の脳を使用している肉体意識には、《霊魂》の世界の本物の恋愛や愛は、理解することも実践することも出来ない、ということなのでしょう。

そういった現実を直視しないと、肉体脳が完璧な愛の実践を出来るようになるが如く謳った、ニセモノの思想に騙されることになりかねません。

私自身も、《契山館》と出会う前は、無償の愛、与える愛、神の愛などの言葉に踊らされて、愛の質を高めることによって解決出来ない問題はない、愛の質を高めることこそ霊的な進歩・向上である、などと考えていた時期がありました。

しかし、前述の通り、肉体の意識に完璧な無償の愛などが実践出来るはずがありませんし、肉体意識内の愛が高まったところで、《幽体》が健全化することも、成長することもありませんから、霊的な進歩・向上には結び付きません。

今、私達が為すべきこと、それは《神伝の法》の霊的トレーニングを習得して、日々、実習すること以外にはないのが現実です。

とにかく、この世にあるうちに、《幽体》を成長させ、肉体の死後、《幽体》が未成長な《霊魂》が集まるような、恐怖と苦痛に満ちた世界へ、落ちないようにすることです。

そのような世界へは、霊的に導いてくれるような、親切な《霊魂》も近づけず、そこから脱け出すのは至難の技なのだそうです。

一方、《幽体》が成長した《霊魂》が暮らす世界へ入れれば、親切な《霊魂》、《指導霊》の指導を受けながら、《幽質界》の中でも、更に《幽体》を成長させ、一歩一歩、着実に進歩・向上していくことが出来るでしょう。

そして、霊的に進歩・向上していくのに伴い、徐々に真の愛が表現されるようになっていくのだと思います。

最後に、本書の目次を転記しておきます。

(ご注意:本稿内の表題書籍からの引用は部分的で、しかも投稿文が長大化するのを避けるため、やむを得ず、省略箇所が多くなっています。従いまして、本書の本来の内容が読解しにくくなっている可能性があります。まだ、本書をお読みでない方は、ぜひ、この機会に本書の全文をお読み頂くことを、お勧め申し上げます。)

目次

第一章 死後の世界へ
1 旅立ち
2 別れ
3 新しい世界
4 新しい身体
5 新しい環境
6 新しい生活

第二章 恋
1 顔
2 二人とも好き
3 三人とも好き
4 四人とも好き
5 五人とも好き

第三章 愛
1 先輩の愛
2 顔が悪い
3 心の転換
4 霊魂の世界の恋愛
5 動物
6 霊的な生命体の恋愛

第四章 霊魂達の愛の心
1 老人の恋愛
2 仏像
3 正夢
4 訪問者
5 愛の記憶

第五章 霊魂と人間との愛
1 物質の世界を見る
2 愛の種類
3 次元の異なる愛
4 強引な愛
5 悪い霊魂の手口
6 非情な霊魂

第六章 本当の愛
1 愛は残酷?
2 霊魂の夫婦の醜さ
3 人間は癌細胞?
4 救えない世界
5 新しい先生
6 愛の罪
7 苦悩からの脱出

第七章 真の恋愛
1 再会
2 霊魂にとって大切な事
3 上の世界の恋愛
4 恋愛とは
5 物質の世界の現実
6 恋愛に至る道

おわりに

byなおいー

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「死後の世界で恋をして」を再読して(その2)」への3件のフィードバック

  1. 愛とか慈悲とか言われると、人は惹かれやすいのでしょう。しかし、死後の現実は虚しく、幽体の健全不健全と言う法則によって行き先が決まります。幽体を語れるのは水波霊魂学しかありません。巧みな言葉に騙されないで欲しいです。

  2. 愛とか聞こえは良いですけど、物質の世界では他の生命体を犠牲にしない限り生きていけないですからね~。
    いくら生命体を食べずに過ごしても、体の中では細菌を殺しているし(-.-;)
    上辺だけの綺麗事に騙されないように気を付けて欲しいです。

  3. 水波霊魂学を学んでから、愛とか慈悲とか、恥ずかしくて口に出すことがなくなりました。自分がどれだけ愛がなく、慈悲とも遠い人間なのかと痛感する毎日です。。。(^_^;)

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