分かれ路(Part4)

約5年間の在籍期間で7回転勤しました。短い店舗なら3ヶ月、長い店舗でも1年くらいでしょうか。7回と言う回数ももしかしたら計算間違いでもっと多かったのかもしれません。赴任したら店舗の内情と外部環境の把握と問題点の洗い出しアルバイト従業員の性格を理解した上で信頼関係を構築する。やることは山のようにありましたが短期間で安定させ収益を伸ばし、やっと余裕のある仕事が出来るようになると転勤の繰り返しでした。

幽体の状態はドンドン悪化していきましたがまだ仕事は楽しんで行っていました。当時、某ハンバーガー店の店長が過労死してその裁判の判決から店長は管理監督者ではないという判例が生まれてました。管理監督者は当時、会社の経営に携わる扱いであった為に残業時間の上限や休日の取得義務がありませんでした。つまり平たく言うと企業側は死ぬまで働かせても店長は会社の経営に参加しているので残業代も休日も与える必要がない無いと言う意味です。

確かにこの判例が出来る前は同じ扱いでしたね。しかし店長は管理監督者ではないという世間の認識が変わってから残業の上限管理や休日の取得が厳しくなり体の方は大分、楽になっては来ました。この頃には何も仕事の仕方を教えて貰えず店舗に放り込まれた時とは違って店長としてのスキルは大分高くなっていました。新人の店長の教育係がこなせるレベルです。自分が右も左もわからない状態で非常に苦労したものですから新人店長には私が知り得た知識やノウハウは惜しげもなく伝えました。

最初からこの会社の胡散臭さは理解していましたので相変わらず従順な羊のフリはしていましたが生活の為と割り切って働いていました。先の管理監督者の件でも分かるようにこの会社、法律は犯さずギリギリのところ攻めてきます。そう言う意味ではブラック企業ではありませんがホワイト企業でもありません。そもそも大企業になれた会社がホワイトの手法だけで成長したと言っても私はそんな与太話は信じません。いわばグレイ(灰色)企業でしょうか。

この頃になってくると会社側はやたらと上の役職に上げようとして来ます。よっぽど楽に仕事をこなしているように見えたのでしょう。ふざけた話しです。一番大変だった時に丸投げしておいて余裕があると判断するとより大量の仕事と高いハードルを押し付けてくる。上級職に就くことは御免被りたい話しです。何故なら店長より上の役職は先の管理監督者になるのですから、そうです。働かせ放題と言うやつです。

しかしそこはお上の決め事と外面の体裁を繕うことに目が向いている会社です。上級職になる為には上級職の社内試験を受けて合格したものしか成れません。半年くらいのスパンで試験はあるのですが3回ほどゴニョゴニョそれらしい理由を付けて試験は受けませんでした。体裁を重んじる会社ですので自分達が作ったルールを自分達の勝手な都合で曲げる訳にはいかなかったのです。

この当時は売上高アップの為に急激な拡大路線に舵を切り、全国にかなりのハイペースで店舗出店を続けていました。その為、慢性的な店長不足、管理者不足に陥っていました。勿論、新卒の採用も中途の採用も大幅に増やしてはいましたが、いかんせん定着率が悪くドンドン辞めてしまいます。私から言わせれば当たり前の話です。店長と言うのは何十人と言うアルバイト従業員を従えて店舗と言う武器を使ってお客さんからいかにお金を落としてもらうかという戦争をする最前線の小隊長です。過酷でない訳がありません。私はこの店長と言う役割と責任の重大さからプライドを持って戦い抜き、戦果を上げてきた自負があります。

ちゃんとした十分な教育もせずに最前線に送り出したらソリャ戦死するでしょう。

会社がそんな状況の時、私は岐阜県のとある店舗に赴任していました。県下一交通量の多い国道沿いにある繁盛店でしたがその忙しさから新人の店長が人件費の見通しが甘いままアルバイトを雇い、売り上げはあるものの利益が残らないという店舗の立て直しに当たっていました。とにかく管理者の全国会議に名前が出るほどのヤバイ状態でしたが、なんとかアルバイト従業員との信頼関係を構築しつつ最悪の状況から脱しやっと利益がちゃんと出始めた頃、会社から近隣の店舗、2つの兼任店長になる様、指示が来ました。

2店舗の兼任店長は聞くことはありましたが3店舗の兼任店長は聞いたことがありません。2店舗共、古い店舗でオープン当初からのベテランアルバイト従業員がいるのでそれほど苦労も問題もないだろうという判断でしたが私の経験上、こういう店舗ほど人間関係で重大な問題を抱えている場合があるので楽かどうかは実際に中に入ってみないと分かりません。そもそも3店舗であればやるべき管理業務は単純に3倍になります。でも私の体は1つ私の1日は24時間のままです。その上給料は3倍になるどこか3割も増えません。正確には1円も増えないのです。

結論からいうとやはり従業員の人間関係で重大な問題がありました。見て見ぬふりも出来たのですが私は改善に着手してしまいました。従業員からすれば兼任店長だろうと仮店長だろうと店長は店長です。一度でも信用を失えばその信用を回復する為には莫大な労力と時間を要します。私は店長への不信感から壊れてしまった店舗をいくつも見て来ました。例え兼任だろうと自分の店は壊させない。その一念だけで3店舗の兼任店長を続けました。

ある時、違和感を感じます。そう言えば最近、休みの日はずっと寝てるな。食事とトイレと風呂の時間以外、次の出勤日までずっと寝てる。身体が倦怠感に包まれて動きたくない。頭がボーっとして集中力が無く簡単な仕事でも倍の時間がかかる。何より車の中で音楽を聴くことが楽しみだったのに最近は一切聴いていない。

ある可能性が私の頭をよぎりましたがその可能性を確定する為に先ず体の病気を疑いました。直ぐチョット大きめの病院で精密検査しましたが結果は異常なし。

次に近隣で評判の良い心療内科を受診しました。待合室は人でごった返していました「心療内科ってこんなに混んでいるんだ」それがその時の感想です。

診察の結果は  《鬱病》でした。

続く

byゆたんぽ

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4 thoughts on “分かれ路(Part4)

  1. 読んでるだけで気持ちが重くなります。きっと、ゆたんぽさんの幽体は悲鳴すら上げられなくなっていたのかもしれませんね。

  2. 僕も鬱病だったんですけど、大変ですよね~(´・ω・`)
    最近は鬱病とか精神病の人も多いですよね~。
    実は幽体がストレスだらかも知れませんよ?
    神伝の法を行って欲しいです(´・人・`)

  3. よく聞くニュースの実体験版のお話ですね!
    こういう状況におられる方は大勢いらっしゃるでしょうし、是非この先のゆたんぽさんのお話も合わせ、読んでいただきたい記事ですね・・・。

  4. 接客業や管理職は経験がないので、お話を読んで想像するだけでも恐ろしいです。(>_<)幽体は自己表現もできずに、ストレスばかりの日々だったのでしょうか。

群馬ブログ編集部:こま にコメントする コメントをキャンセル