「死後の世界で恋をして」を再読して(その1)

本書には、『愛って?』という副題が付いています。

本書は、婚約者の女性を残して、突然、事故死した三郎という一人の青年を主人公に、物語風に、たいへん読みやすく記されています。

三郎は肉体の死を迎え、《幽体》という霊的身体で、《幽質界》という《死後の世界》へ入ります。

そして、《幽質界》で知り合った女性達との恋愛体験や、後から他界し《幽質界》へ入ってきた元婚約者との再会などの経験を通して、《指導霊》などに導かれながら、利己的で自己中心的な愛から、《本当の愛》《真の恋愛》に目覚めていく姿が描かれています。

本書では男女の恋愛がテーマになっているわけですが、やはり恋愛というものは、人間にとって、極めて重要なテーマであるようです。

本書で分かったことは、肉体を持った身での、この世での恋愛は《真の恋愛》とは言えず、本物の恋愛は、《幽質界》に入った後に、理解出来るようになるらしいことです。

本書の《第3章 愛》《6 霊的な生命体の恋愛》において、主人公の三郎を導いている親切な霊魂は、三郎に対し、
(引用始め)
「大事な事は現実と向き合う事なのです。霊魂の世界には法則があります。それは誰にも変えられません。私も、貴方も、ただ従うしかありません。物質の世界で引力の法則は良くない、と抗議しているようなものなのですから。
つまり、法則としてすでにある事は変えようがありません。その中で、どうあれば幸福になれるのか、そうした事を探して欲しいのです。」
(中略)
「霊魂の世界では、体が耐えられる場所でしか生活できないのです。ですから、貴方は貴方の体が生活できる場所で暮らしているのです。」
(引用終わり)

とあり更に、《第6章 本当の愛》《7 苦悩からの脱出》においては、
(引用開始)
つまり、大事な事は、物質の世界に居る間に、死後、下に落ちないような幽体を、事前に作っておく事だったのである。
三郎は、物質の世界の人達に対して、霊魂の実在と死後の世界の現実、そして、下に落ちないように努力するという事、それを教える事が、霊魂の世界にいる人間にとって、いや、霊魂にとって、最も価値の高い活動に違いないと思うようになっていた。
(引用終わり)
とあります。

また、《第7章 真の恋愛》《2 霊魂にとって大切な事》において、三郎を導いている親切な女性の霊魂と、三郎との間に、次のようなやり取りがあります。

(引用開始)
『「まず、貴方が知らなければならないのに、一度も質問してこなかった事を話します。」(中略)
「肝心な事を聞きます。幽体の成長とは何ですか?」
三郎は答えられなかった。幽体が成長して上の段階に入れると良い、と言いながら、どうすれば良いのか、と悩んでみたが、成長とは何か、を考えていなかったからである。
親切な霊魂が言った。(中略)
「幽体は栄養が要ります。それは食べ物ではありません。だから食べなくても生きられるのです。成長すると言うからには、栄養源があるのです。それは『幽気』という気です。(中略)
幽体は適応しやすい世界に自然に移行します。ですから、善い人も、悪い人も、ありません。幽体の状態が良好な人は、相応しい幽気のある地域に入るのです。逆の人は、逆です。
(中略)
ところが、幽体の状態が悪い、という人達の共通の特徴は、物質の世界に居た時に、強い念を受けて、幽体が壊れているか、そうでなければ、悪い霊魂に影響を受け、穢れているのです。そうした人達は、一般に、怒りや攻撃の強い思いを受けていた人達ですから、おおむね、自分も念を出していた人達なのです。一部には、そうでない人も居ます。例えば、何もしていないのに、誤解されて念を受けた人も居ます。善悪ではなく、現実の状態なのです。
幽体の状態が悪い人達が、一か所に大勢集まってしまうのです。そうなると、ちょっとした事でも対立し、争いになります。(中略)つまり、地獄のような有様になるのです。
ですから、そうした地域には、善い人だって居るのです。」
(中略)
「要するに、幽体が傷ついていなければ、何とか普通に生きられる地域に入れるのです。」(中略)
「そこで幽体の成長なんです。これは単純な事なんです。要するに、幽気という栄養をたくさん吸収出来れば、それで良いのです。」(中略)
「簡単なんですけど、これが難しいのです。
霊魂の世界は、その地域の幽気の状態に相応しい幽体が、その地域で暮らしているのです。という事は、そこには相応の幽気しかないのです。だから、いつまで経っても成長しないのです。
おまけに、上の地域に行きたいと思っても、簡単には行けません。幽体に適していませんからね。ですから、努力が要るのです。 上のレベルの幽気を、自分に接触させるにはどうすべきか、これが問題になります。人によっては、神に祈ります。でも、祈っても駄目な人もいます。」(中略)
「その祈りが、上の幽気を引きつけないからです。」(中略)
「それを自分で考えて努力するのです。」(中略)
「立派な霊魂方は皆、神霊のお役に立ちたいと考えていらっしゃいます。それがヒントです。(中略)
大事なのは、上の世界の高くて強い気と接し得るか否か、それなのです。
実は、物質の世界でも同じだったのです。
(中略)
大事なのは神霊を信じる事、そして、上の世界の幽気だったのです。」』
(引用終わり)

結局のところ、私達が肉体の死を迎えた後に入る《幽質界》は、物質界では肉体と重なっていた《幽体》の性質、すなわち、その健全の度合いや成長の度合いによって、行き先が決まってしまうのです。

なぜならば、肉体と離れて《幽体》の存在となった《霊魂》は、その《幽体》の成長の度合いが近い者同士でないと、同じ場所に住めないからです。

《幽体》が健全で成長しているほど、《幽体》からは《オーラ》という霊的な光のようなものが、強く出ているそうです。

一方、《幽体》が不健全で未成長であるほど、《幽体》から出る《オーラ》は弱く暗くなってしまいます。

そのため、《幽体》の性質が近い者同士でないと、互いにその存在を視認することが困難になります。

すなわち、《幽体》から出る《オーラ》が弱い《霊魂》からは、《オーラ》が自身より強い《霊魂》は眩しすぎて見えにくく、《オーラ》が強い《霊魂》からは、《オーラ》が自身より弱い《霊魂》は、暗すぎて見えないのです。

ですから、《幽体》の性質が近く、出ている《オーラ》の強さが同程度の霊魂同士でないと、その場所に《幽体》の性質が合わず、住むことが出来ないのです。

以上のように、この世で生きる私達にとって、最も重要な事は、《死後の世界》である《幽質界》で、《幽体》が不健全で未成長な《霊魂》が集まっているような階層に、入らないようにすることです。

それには、この世で生きているうちに、自身の《幽体》を健全化し、成長させて、強い《オーラ》を出せるようにしておくことが必要です。

そして、そのためには《契山館》で指導されている、《神伝の法》という霊的トレーニング法を習得し、日々、実習することに勝る方法はありません。

また、《幽体》を成長させて、強い《オーラ》を出せるようにすることは、《死後の世界》のみで役立つわけではありません。

この世において、《幽体》を成長させ、強い《オーラ》を放っていれば、私達を不幸にしようと暗躍している、いわゆる悪霊のような存在は、私達に干渉することが出来ません。

悪霊のような霊魂の《幽体》は未成長なので、私達の《オーラ》が眩しければ、近づくことが困難になるからです。

逆に、私達を霊的に正しい方向に導こうとされている、《守護霊》や《指導霊》の方々の視界には入りやすくなり、その指導を受けることが可能になります。

《守護霊》や《指導霊》の方々は、《幽体》が成長していて、強い《オーラ》を放っておられますから、私達が《神伝の法》の霊的トレーニングを行って、《幽体》から強い《オーラ》が出ていないと、その視界に入りにくくなってしまい、指導が受けられないのです。

(その2)に続きます。

(ご注意:本稿内の表題書籍からの引用は部分的で、しかも投稿文が長大化するのを避けるため、やむを得ず、省略箇所が多くなっています。従いまして、本書の本来の内容が読解しにくくなっている可能性があります。まだ、本書をお読みでない方は、ぜひ、この機会に本書をお読み頂くことを、お勧め申し上げます。)

byなおいー

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「死後の世界で恋をして」を再読して(その1)」への3件のフィードバック

  1. この書籍は、恋愛を通じて死後の世界のことが書いてありますが、死後の世界(幽質界)がどういうところなのか、霊魂がどのような暮らしをしているのかもよくわかると思います。地上の価値観は、全く通じません。

  2. 地上の常識が当たり前の私たちには、幽的な世界は、実に分かりにくい幽的な法則で動いている世界ですが、この書籍を読むと、本当に分かりやすく死後の世界の日常が伝わってきます。

    主人公の三郎さんは、ヒーローというより、普通の感性の持ち主のようですし、テーマが恋愛なので、とてもリアル。
    単純に、とても面白いです!

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