遠い現実と日常の現実

正常性バイアス(せいじょうせいバイアス)とは

認知バイアスの一種。社会心理学、災害心理学などで使用される心理学用語で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のこと。自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる。

人の心は予期せぬ出来事に対して「鈍感」にできている。予期せぬ変化や新しい事象に心が過剰に反応して疲弊しないためのはたらきで、ある程度の限界までは、正常の範囲として処理する心のメカニズム。

近年の研究によれば災害発生時に実際にパニックが起こるのは稀なケースであるとされ、むしろ災害に直面した人々がただちに避難行動を取ろうとしない原因の心の作用として注目されている。

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これは私が以前に投稿したブログ記事の一部を抜粋したものです。私は長野県の北部に在住していますが今回、日本列島の中部地方から東北地方にかけて被害をもたらした台風19号の被害の全容は未だ分からない状況でこの投稿文を書いています。

正常性バイアスの記事については自分が書いた記事ですが何の異論も挟むつもりはないのです、しかしながら自身の直ぐ近くで実際に未曾有の災害が起こってみると理屈や理論では割り切れ無い複雑な心境に陥ってしまいます。

私も普通の人間である以上、正常性バイアスの呪縛からは100%逃れることは出来無いと考えていましたが他人よりは何倍も非常事態に陥ったとしても冷静かつ確実に行動出来る自信がありました。結果的に今回の台風被害に遭うことはありませんでしたが実際にテレビやネットで見る災害や事件、事故が自分の身近に起きると、こうも想像していたモノと違うということを強くおもい知らされました。

台風19号が接近するにあたって事前準備はしっかり整えていました。

食糧品や日用品の買い出しも台風が来る2日前の木曜日に済ませておきましたし、車で出掛ける必要がある用事と家の周りで風に飛ばされてそうな物の片付けは全て金曜日中に済ませました。台風の影響が出始める当日は3連休の為、発売日が変更になる漫画誌をコンビニに買いに行っただけでもう一切外出はしない予定でした、それが当日の午前10時です。

自宅がある場所のハザードマップもだいぶ前に確認してありましたので土砂災害や洪水災害が実際に発生しても自宅に籠るのが一番安全だと理解しています。万が一、避難指示が出るような災害が発生したとしても指定避難所は直線距離で200メートルも離れていない公立中学校が避難場所なのです。

災害情報は民間と公共機関が公開している複数のインストールされたスマホアプリから通知されるように常時設定してあります。一番安全なのは自宅なのですが停電になっても最新災害情報が取得出来るようにスマホ用のモバイルバッテリーも2台準備してあります。

ここまでは普段から行っている災害への備えと19号台風来襲までの事前の行動でしたが、実際に風雨が激しくなって来ると、想像していたのとは違い状況が刻一刻と早い速度で変化していきました。幸いなことに今回の台風で自宅が停電することはありませんでしたが直ぐ隣の集落では停電した模様でした。未だ台風が上陸していない段階で家の近くの川の水位が上がり続けて積算降水量の多さから、すぐ隣にある町の幾つかに避難準備情報が発令されました。それが避難勧告、避難指示にあっと言う間に切り替わり、大雨特別警報が自分の市も含めて県内多くの市町村に発令されました。

「これはえらい事になる」と考えて情報収集をテレビとスマホから続けました。防災無線のスピーカーで何か伝えているようでしたが雨と風の音が酷くて良く聞こえません。市からの防災メールは受信設定してありますので伝えたい内容は判ります。殆どが市内にある洪水や土砂崩れで危険が迫っている町の避難指示連絡でした。防災アプリの地図表示で市内にある河川が危険水位を示す紫色にドンドン変化して来ます。

近くの川も危険水位の紫色になり、さすがに初めての経験だったので心配から見に行こうと思いましたが「イヤ!絶対ダメだ!ココと川とは高低差がかなり有る。この家が一番安全だ!」と自分に言い聞かせ必死に我慢しました。

それから余り時間を空けず中小河川沿いの集落の避難勧告や避難指示が千曲川沿いの町に移行していきます。千曲川は日本一長い信濃川の長野県内での呼び名です。その名が示す通り千(セン)曲(マガリ)の川で昔は直ぐ洪水を起こしていた曲がりくねった川です。しかし河川堤防を整備した近年では30年以上前に小規模な越水をしたのを最後に住宅地が水に浸かることは有りませんでした(その後も大規模な改修をした筈です)。

夜中は風と雨の音と1時間も開けず鳴り響く防災緊急連絡で余り眠れませんでしたが千曲川が越水したらしいとの情報が入って来ました。私の家の近隣地区の被害も含め今回の台風被害の全容は明るくならないと分からないとは考えていましたがまさか千曲川の堤防が複数箇所に渡って破堤するとは夢にも思いませんでした。

ヘリコプターからの空撮映像は大変衝撃を受けました。知り合いが居る訳ではありませんが見たことがある建物、見たことがある道路、見たことがある街並みが水没しているではありませんか。きっと千曲川沿いに住む住民の皆さんも高い堤防と何十年も起きる事が無かった洪水に慣れ過ぎて早い段階で避難すると言う発想に至らなかったのでしょう。同じような場面と映像を過去、何回もこの日本国内で起きた災害として目の当たりにしている筈なのに。

私は基本的にはビビリなのであらゆるリスクをつい考えてしまいます。死後の世界の知識を得て自分が望む死後の世界へ行く為の準備を進めているのもその為です。今は遠くて実感することが出来ない自身の死も、いつか必ず訪れて日常の現実になる日が来ます。なんの準備無しにその日を迎えても出来ることは限られてしまうのかも知れません。

 

今回、被害に遭われた方々が1日も早く日常生活を取り戻せますよう心よりお祈り申し上げます。

終わり

byゆたんぽ

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遠い現実と日常の現実」への11件のフィードバック

  1. 今回の台風の被害に備えて、カップラーメンなどは品切れになるくらい売れたようですが、何故か缶詰の売れ行きはそうでもなかったようです。災害の備えに対しても短期として考えていたのかどうかは分かりませんが、もしそうであれば、それも正常性デバイスの一種なのでしょうか?

    「明日は我が身」

    個人的には、災害の備えも、死後の備えも、人ごとではないと思います。

    • 昨晩は緊張感から解放された安堵と雨と風の音が全くしない静けさから7時半頃に猛烈な眠気に襲われて夕飯も早々に床についてしまいました。

      長野県以外でも慣れない避難所で過ごされている被災者の方々の心中を察すると実に申し訳無いおもいです。

      被災された方は時間がかかるとはおもいますがいずれは元の暮らしに戻れると信じています。
      しかし死後の備えを怠ると元の暮らしに戻るどころかより過酷な世界での暮らしを気の遠くなるような期間過ごさねばなりません。

      今回、被害に遭われた方もそうでない方も死後の世界で過ごす準備だけは絶対に怠らないで下さい。

  2. どんどんと状況が変わる緊迫感、ゆたんぽさんがお書きになっている通りでした。
    町の広報放送しか詳しい情報は無かったですし、いつもなんとなくぼんやり聞いていた広報が今回本当に有難く感じました。
    高齢者が多い地区に住んでいるので、避難の必要性を伝える難しさも感じました。
    愛着のある土地から避難するのは嫌。逃げなくてもどうにかなる。逃げるのは恥等々、正常性バイアスな気持ちから避難しない方が多いように感じました。
    災害であれば救助の方が迎えに来てくださいますが、死後の場合、低い世界に入ってしまうと救助の手は全く無いそうです。
    救助が受けられるようにするには、ご自分の幽体の質をあげなくてはなりません。幽界の救助隊である高級霊魂からご自分を確認してもられるように、幽体を鍛えましょう。

    • ゆずサンのお住まいの場所は存じ上げておりましたが避難勧告が出て大変、心配しておりました。

      余程、安否確認をしようかと考えましたが、ただ私が安心すると言うだけで何の役にも立つことが出来ないと悟り思い留まりました。

      しかし契山館の修行者が霊的使命の半ばで修行出来る環境を奪われる事は神霊、守護霊、指導霊の方々が絶対に回避するべく加護して下さると確信しておりましたので余計なお世話をせずに済みました。

      ご無事で何よりです。

      • お気遣い、誠にありがとうございます。
        おかげさまで無事でおりますm(_ _)m
        ブログコメントに書き込むのも安否確認の一つの意思表示になりますね。

  3. 今回の台風の被害はかなり広範囲ですね。
    我が家の周りでは前回の台風で被害が出ていたので対策しましたが、それがなければ何もしなかったと思います。

    危機意識はなかなか持てません。
    災害は何もなかったで済むかもしれませんが、死は必ず訪れますから、こちらの対策は必須ですね。

    • 生きている間であれば過去の失敗を教訓に次回に備えて対策をすることは叶いますが死んでから失敗に気付き(失敗したと気付ける方はまだ救かる可能性は僅かですが残されていますが)次回に備えることは不可能です。

      万人に必ず訪れる死と死後の世界への備えは生きている間しか出来ません。

      老若男女、貧乏人も金持ちも例外は有りません。
      でも対策はどの様な人生を送っていてもあります。

      答えは水波霊魂学と契山館にあります。

  4. 私は、9日(水)と10日(木)に食料品等を買い込み、11~13日は仕事を中止にして、台風に備えていました。

    幸い私の居住地では、30分ほど停電したくらいで、大きな被害は出ませんでした。

    しかし、隣接する箱根では、降り始めからの雨量が1000ミリを超えて、観測史上の最高記録を更新したそうで、各地で土砂崩れ等が多発したようです。

    そのため箱根地方を通る国道の多くは、13日も通行止めが続きましたし、箱根登山鉄道の山岳区間は、復旧までに、相当な期間を要するそうです。

    私の自宅の、最寄り駅を通っている私鉄も、13日は終日運休でしたが、14日より運行を再開するそうです。

    正直なところ、今までに経験した台風の中で、一番怖い思いをしました。

    雨って、あんなに降り続くものなのですね。
    雨戸のない窓は、ガラスがいつ割れてもおかしくないと、覚悟しました。

    防災無線は、途中から雨風の轟音で、全く聞き取れなくなりました。

    全市民、約20万人に避難勧告が出て、一部地域では避難指示に切り替わりました。

    しかし、私の自宅から避難所までは、成人男性の足で、約30分かかります。

    しかも、経路の途中には、過去に難度か崖崩れが発生したことのある、河川沿いの区間があります。

    避難所は自家用車の乗り入れが禁止ですし、鉄道はとっくに止まっているので、避難するとすれば歩くしかありません。

    しかし、私の家族の中には、杖をついて10分歩くのがやっとの高齢者がいます。

    しかも、避難所へは、食糧や飲み物の持参が必要とのことです。

    ですから、避難勧告や避難指示が出ても、風雨の強い中を、荷物を持って、避難所へ向かうのは困難なのが現実です。

    また、そもそも避難所の多くは小学校なのですが、本当に全市民が避難したら、1校あたり、平均1万人を収容することになります。

    現実には、その10%の千人を収容するのも困難でしょう。

    そうなると、そもそも全員が避難する可能性など、考えていないということになりますが、それならば、全員に避難を呼び掛ける意味が理解出来ません。

    それに、もし本当に全市民が被災したら、どうなるのでしょう?

    どうも、防災についても、様々な課題が山積しているようです。

    しかし、一番大切な防災は、やはり、肉体が死を迎え、死後の世界へ入る時への備えだと思います。

    この世では、一生に1度も罹災しない可能性もありますが、死なない人は、一人も存在しないのですから。

    • 防災に行政が掛けることが出来るコストには限りがあります。それもそんなに多くは有りません。
      だからこそ多くのジレンマが生まれます。

      やはり自分の生活は自分の力で守るしか無いようです。
      死後の世界への備えは行政どころか家族でさえ助けてはくれません。

      現実の世界以上に自分の身(魂)は自分の力で守るしかありません。しかし契山館はそのお手伝いは出来ます。

      なおいーサンのおっしゃる様に死を回避出来る人間はこの世に一人も居ません。
      あらん限りの想像力を駆使して自分の魂の逝く末を心配して対策をして下さい。

  5. 大変な被害でしたね~。大丈夫だったでしょうか?

    でも人間はそれだけ楽観的に考えてしまうって事ですよね。
    今のところ、死後行く世界は地獄のような世界ですよ。
    そういう幽体なので、そういう世界に行きます。
    神伝の法で、上に行くような幽体にして下さい(´・人・`)

    • 被災された方々、今は目前の事象に対応することで手一杯かと察します。

      しかし時間は掛かるでしょうが必ず元の生活に戻れると信じています。
      そして心に多少なりとも余裕が生まれる時間を取り戻せたら霊的な真理にも思いを馳せて下さい。

      霊的な防災も残された人生を過ごす上で至上の命題だと1人でも多くの人が気付いてくれることを願って止みません。

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