イタリアこぼれ話(その10)「イタリアのレストランにはピザはない」

イタリア語でレストランのことを「リストランテ」言います。

その「リストランテ」のメニューには、代表的なイタリア食の1つと目される、ピザ(正確な発音はピッツァ)がないと申し上げたら、意外に思う方がおられるのではないでしょうか?

一般的に高級店を意味する「リストランテ」には、庶民的な食べ物であるピザはないということなのです。

広義の意味では、食事を取ることをメインにした飲食店全般を、「リストランテ」と呼ぶこともありますが、正式な「リストランテ」となりますと、それなりの高級店を指すことが多いのです。

正式な「リストランテ」の場合には、日本円に換算して、1人当たり5千円以下で食べるのは困難です。

夕食だったら、7~8千円から2万円・3万円くらいが標準でしょう。

観光地の観光エリア以外では、予約が必要な店が多いですし、男性はネクタイ・ジャケット着用等の、ドレスコードがある店が多いですから確認が必要です。

イタリアにはその他に、「リストランテ」よりは低価格の「トラットリア」や、より庶民的な居酒屋風の「オステリア」、ピザの専門店「ピッツェリア」などがあります。

「ピッツェリア」だと、ピザとサラダと飲み物付きで、千円くらいで食べられますので、1人旅などには便利です。ただ「ピッツァ」は夜の食べ物のイメージなので、昼食時には営業していない店が多くあります。

ただし、上記の飲食店の区分には曖昧な部分があって、「リストランテ」と表記されていても、観光客を対象に、ピザも提供するような庶民的な料金の店もあります。

逆に「トラットリア」と看板が出ていても、「リストランテ」並みの料金の高級店もあります。また、「リストランテ トラットリア」などという、どちらか分からないような店もあります。

ですから、予算が決まっていたり、食べたい物があるような時には、店舗の入口前に置かれたメニューを確認してから入店すると良いでしょう。

私の場合は単純に、看板に何と書かれていても、ピザがある店は庶民的、ピザがない店は高級と判断していました。

ちなみに高級店で「ピザはありませんか?」などと尋ねると、嫌な顔をされますから要注意です。

byなおいー

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イタリアこぼれ話(その10)「イタリアのレストランにはピザはない」」への5件のフィードバック

  1. 日本だとピザも結構高いですけどね( ̄□ ̄;)!!
    まぁ、ピザは大好きなので安く食べられそうで良かったです(´艸`)(笑)

  2. ピザ(ピッツァ)は庶民の味なんですね。
    なおいーさんの高級店かどうかの見分け方は、分かりやすいですね(^.^)

  3. なるほど~、色々ある店名の差が分かりました。
    「ピッツァ」は、夜の食べ物というのが意外でした!イタリアの方はおつまみとして召し上がるのでしょうか。

    長野県には小麦粉系をまとめて「粉モン」といって愛している文化があって(元は大阪の言葉のようですが)、なんとなく小麦粉系は全て昼食や軽食のイメージです。
    所変われば、ですね。

    • 確かにピッツァは軽い食事に当たるでしょう。また、イタリア人が食事を取る時には、ワイン等のアルコール飲料を飲むことが多いので、おつまみと言えなくもないでしょう。

      なぜ、軽食のピッツァが夜の食べ物なのかというと、イタリアでは昼食が正餐(一日の中でメインの食事)という習慣があったからです。

      それは午前中に仕事をすると、昼過ぎに一旦帰宅して昼食を摂り、昼寝(シエスタ)をしてからまた仕事に行く、という伝統的な生活習慣からきたものです。

      伝統的には、朝、夫を見送った奥さんは朝市へ向かい、調達した新鮮な食材で、腕によりをかけて昼食を作り、夫の帰宅を待つ、というのが一般的だったようです。

      現代では、遠距離通勤をする夫や、共働き家庭の増加、またシエスタ(昼寝)を取る習慣の減少傾向により、北イタリアの都市部を中心に、すでに正餐は夕食に移行したと言ってよい状況です。

      でも、ピッツァが夜の食べ物といったイメージは、まだ変わってないようです。実際には、昼時でもピッツァが食べられる店も多いですよ(特に観光地では)。

      • 詳細をありがとうございます。
        なるほど、昼食がメインなのですね~!驚きました。

        >午前中に仕事をすると、昼過ぎに一旦帰宅して昼食を摂り、昼寝(シエスタ)をしてからまた仕事に行く

        おお~、良い生活スタイルですね~。長生きしそうです(^^)

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