イタリアこぼれ話(その22)「イタリアの暖房」

今回はイタリアの暖房のお話です。

日本の暖房は、北海道等の寒冷地を除くと、部屋ごとに暖房装置を設置して暖める方法が主流です。

ですから、居間を暖房で暖かくしておいても、廊下や他の部屋、さらにはトイレや浴室は寒いままで、その温度差が20℃前後になることもあるでしょう。

暖かい部屋から、急に寒い場所に移動すると、血圧が急激に上昇するなどして、ヒートショックを起こす危険性があるそうですので、注意が必要なようです。

やはり、薄着のまま暖房の入っていない他の部屋や、トイレ等に行かないようにしたり、入浴は脱衣所や浴室内を十分に暖めてからにするなどの、工夫が必要だと言えるでしょう。

ところが、イタリアの一般的な住宅では、そのような心配はまずありません。

なぜなら、イタリアの一般的な住宅では、建物全体に熱したオイルを循環させるパイプが設置されていて、そのパイプの中を流れるオイルの熱によって、住宅内の各所が暖められる構造になっているからです。

そのため、各部屋はもちろん、廊下や浴室まで(トイレは浴室内です)、ほぼ同じ温度に保たれているのです。

ただし、集合住宅の場合は、1ヶ所で集中管理をしているので、自由に暖房を入れたり切ったりしたり、温度調節をすることは出来ません。

通常は22時から翌朝6時までのように、就寝時間帯には暖房が止まりますが、石造りの家は気密性が良いためか、窓を閉めておけば、朝まで寒く感じたことはありません。

使っていない部屋や、留守中も部屋を暖めておくことは、無駄のようにも思えますが、一番エネルギーを消費するのは、冷えきった部屋を暖める時だそうですから、常時、全館を暖めておいた方が、むしろ効率が良いのかもしれません。

よくイタリアから冬に帰国すると、日本の南関東の冬が、気温のわりに寒く感じられたものですが、その理由は、この暖房方式の違いにあったようです。

そう言えば、昔、北海道出身の友人が、東京の冬は寒いと言いながら、室内では半袖シャツ一枚で生活していました。

聞くところによると、北海道ではガンガンに暖房を効かせた室内で、半袖で生活する習慣の方がおられるそうですので、寒いはずの東京の室内でも、その習慣を変えられなかったのでしょう。

byなおいー

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イタリアこぼれ話(その22)「イタリアの暖房」」への3件のフィードバック

  1. 凄い暖房ですね~!!!
    もしも将来、家を建てる事になったら、ぜひその暖房にしたいです(笑)

  2. 温かそうで、羨ましいです~~!
    長野県の知人の中には、薪ストーブを使っているお宅が数軒あるのですが、
    煙突の熱をうまく利用して、全室温められるようになっているお宅もありますね。なおいーさんがおっしゃるイタリアの暖房と同じような温かさなのかしらと想像しています。
    うちは普通にファンヒーターで、今年の灯油代の高さに泣いております(T_T)

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